連載 9日目 (最終回) 【するどい観察は「WHY AND WHAT」】 ● 子どものときの純粋な気持ちが大切 たとえば、大切なおもちゃの自動車が動かなくなりました。 そのことについて、子どもは「なぜ動かないの?」、「どこがこわれたの?」、 「電池がなくなったの?」、「なぜ電池はなくなるの?」…… "なぜ""どうして"の質問を親にあびせると思います。 知識欲がさかんな子どもの質問は際限なく親がその解答に困ることさえあります。 それは、新しいものを知ろうとする人間の本能だからです。 ところが、大人になると「これは何だろう?」、「どうして?」の疑問が鈍くなります。 また、そう思っても質問をしません。 みきわめることを怠ってしまいます。 そんなとき、子どもの頃の純粋な気持ちを思い出してください。 「WHY?」、「WHAT?」、「なぜ」、「どうしてだろう」を連発してください。 1個の商品、1つの現象を見るときそれを分解して、 意識してみきわめると自然にWHY? WHAT? の疑問が生まれてきます。 ためしに、どんなことでも結構です。 いろんな角度から観察をしてみることです。 ここで、みなさんがいつも使っている○○の商品を観察してみてください。 仕事でも同じです。 身近な職場でも与えられた仕事を 毎日繰り返しているだけでは何の進歩も改良も生まれません。 それでは仕事も楽しくなるハズがないでしょう。 ところが、ある動作に対して「これでいいのか?」……、 と1つの疑問を投げかけてみるとそこに新しい考えがわいてきます。 すると「もう少し手間を省く方法はないだろうか」、 「製品を早くきれいにそろえる方法はないだろうか」……など、 具体的な課題(問題点)が見つかります。 物や現象に対して何でも結構です。 「WHY?」、「WHAT?」を投げかけて課題を掘りおこしてみてください。 それが作品のテーマを引き出す大切なカギになります。 ● まちがってはいないけど"そうだ"と思い込まない たとえば「1+1=2」です。 「数学の世界ではそうなるのだ!」 と小学生の算数の時間に先生にやさしく教えてもらいました。 また、誰でも「1+1=2」だと思っています。 不思議だ! とは思っていません。 物理の法則でも定理でもみんな大先輩が大変な苦労をして確立したものです。 だから、私たちはその通りだと信じています。 たしかにその通りです。 しかし、こうした既成の概念をそのままそうだと思い込んでしまったら 新しい作品は生まれないでしょう。 型にはまった固い頭の中からはユニークな作品は生まれてきません。 次の例のミシン針もそうです。 「針の糸を通す穴は針の上にあるものだ!」 と決め付けてしまっている人は考え方をかえなければ 「下に孔を開けたミシン針」は思いつかないでしょう。 だから、たとえどんなに確立された法則であっても 「こうしたら」といったとっぴな仮説を付け加えると必ずしもそうではなくなるものです。 たとえば、身近な不便さは誰にでも同じように感じます。 したがって、作品のテーマとしてとらえる人も大勢になるわけです。 ところが、長い間そういうものだと思い込んでしまっているから 不具合点として感じなくなっているのが普通だと思います。 会話の中で、専門家から 「困った」「できない」「ダメだ」といったような言葉が出たら、 そのときは大切にメモをしておいて、その原因を取り除いてください。 作品の商品化が実現する可能性も出てきます。 もし、その道の知識がなかったら その分野の専門家とつきあって知識を拝借して 自分の知恵を貸してやるのも1つの方法です。